チームでWebデザイン制作を行う際に「世界観の統一」をすることが重要になります。
お客様の持つ世界観、クライアント様が持つ世界観、デザイナーが持つ世界観、コーダーが持つ世界観はそれぞれ違います。
「思っていたデザインと違うんだよなぁ」とクライアント様に言われてしまって全てやり直しになった事をデザイナーに伝えたら、に「私はこういうデザインだと思ってデザインしたのですが。。どうすればいいんですか?」と言われて板挟みになった経験はないでしょうか?
赤という色でもいろいろな赤があります。丸という形でも千差万別。デザインは人それぞれのイメージする”世界”が違うのです。
制作現場では、デザインの世界観を統一させるのがWebディレクターの役目です。でも、果たして「世界観」という抽象的で哲学的に感じるものがいったい何の役に立ち、どうすればデザインの世界観を統一できるのか考察したいと思います。
そして、Web制作やデザイン業界で働くリーダーやディレクターに少しでもお役に立てれば幸いです。
さて、まずは世界観の意味からおさらいしましょう。残念ながらネット上にはデザインの世界観に関する記事があまりありません。
世界観とは「世界を一体的に意味づける見方。一般に、人生観より広い範囲を包含し、単なる知的な理解にとどまらず、より情意的な評価を含むものであり、情意的な面、主体的な契機が重要視される。現代の日本では、漫画、アニメ、テレビゲームなどフィクション作品の舞台となる世界の設定という意味で用いられることが多い。」[wikipedia「世界観」より抜粋]
情意的、主体的な契機・・・あまり耳馴染みがありませんね。。つまり、「感情や意思に基づく条件や要素」ととらえてください。
平たくいうと、「こんな感じ」というイメージを明確な言語にしておくことだと思います。デザイン制作現場では、ヒアリングシートや定義書/仕様書がそれにあたります。その定義が具体的であればあるほど「統一がされている」という認識になります。(定義はある程度余幅が必要なので後節します。)
デザインにおける世界観は、たとえば、イラストの形の法則や画像のトーンや写真表現における、切り抜きやコラージュ、レタッチ、レイアウトの余白や文字の大きさなどの細部を具体的に決めることです。
デザインの何を具体的に決めるかのルールはありません。
都度決めていけばいいと思っています。
デザインの世界観を決める手順
① より具体的な言語表現を行うこと
② 最初の段階から決めておくこと
③ ターゲットや目的、クリエイティブのコンセプトを明確にすること
④ サンプルを持ち寄って、チームで討議を重ねて世界観を近づける
⑤ 定義を決める ※”NGのルール”も決めるとベター
⑥決定事項を共有する
⑦ ①に戻る
デザインの世界観を決める際の注意点
①闇鍋にしないこと
サンプルを持ち寄っても、どれを採用するかの決定を行わないと世界観が失われます。肉はこれ、野菜はこれ、うどんではなくおじやといった感じで、どれを採用するか必ず決めることです。
②自分勝手な解釈をしない
決まった世界観のルールを自分勝手に変えるのは絶対NGです。例えば、赤色ではなく朱色に決まったデザインを、「私は茜色が合うと思うんです」といった感じで勝手に変えないことです。決まったルールを変えるのであれば、全員に通達するのがマナーです。
③目的を見失わない
デザイナーはデザイン偏重になることがあります。何のためのクリエイティブなのか、誰が得をするために作っているのか、作品のゴールはどこなのかを常に意識しないと、ちぐはぐしたデザインになりかねません。Webサイトであれば、サイトを作る目的や、サイトのゴール(成約)CTA(コールトゥアクション)などを常に意識することです。ディレクターやリーダーが常にその意識を共有する事をお勧めします。
いかがでしたでしょうか?
チームでデザインの世界観を統一するのはなかなか骨の折れる作業です。拘りのある人がいるとなかなか思うように進まないこともありますが、「全てはクライアント様のため」と思ってチームを束ねていくといいと思います。
以上、デザイン世界観を統一するにはでした!
最後までご拝読いただきありがとうございました。