カテゴリー: 日記

  • ビジネスが円滑になる“ワンクッション”会話術

    仕事上の会話で、言っていることは間違っていないはずなのに、相手が不機嫌になってしまったり、どこかギクシャクした空気になってしまったことはないでしょうか。

    要件を簡潔に伝えることは間違いではありません。しかしその言い方が、唐突すぎたり、圧を感じさせるものになってはいないでしょうか。

    たとえば、「ご質問の件、新規の依頼のようです。見積を添付しましたので返事をくださいますか。」という一文。業務的には正確ですが、相手によっては「急に突きつけられた」と快く思わないことがあります。

    そんなときは、一言付け加えて“ワンクッション”置いて伝えてみましょう。

    「今回の件ですが、新規のご依頼として受け止めております。もし以前にお話が出ていたようでしたら、当方の確認不足かと存じます。念のためお見積書を添付いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。」

    意図や内容は変わらなくても、相手への配慮や敬意が伝わります。

    また、冒頭に少しだけ共感の言葉を添えるのも有効です。「今日は暑いですね」「お忙しいところ恐れ入ります」「ご無沙汰しておりますがお変わりありませんか」——たった一言あるだけで、会話の空気がやわらぎます。

    ビジネスとはいえ、人と人とのやり取りです。つい要点だけを伝えたくなる場面でも、少し立ち止まり、相手の呼吸に合わせることで、話の通り方がまるで違ってきます。

    「言った」「伝えた」だけでなく、「どう伝わるか」「どう受け取られるか」に意識を向ける。そのための“ワンクッション”が、ビジネスを円滑にし、人間関係をより良くしてくれます。

    伝える技術ではなく、伝わる工夫をしましょう。

  • マーケティングに必要な審美眼

    「審美眼(しんびがん)」という言葉をご存じでしょうか。

    簡単に言えば、”美しいものを見極める力”のことです。「何が美しく、何が心地よく、何が人を惹きつけるか」を判断する感覚的な力。芸術の世界だけでなく、マーケティングの現場でも非常に重要なスキルだと私は感じています。

    マーケティングとは「人の心を動かすこと」。

    いくらロジックや分析が完璧でも、受け手に響かなければ意味がありません。「なんだかいい」「惹かれる」「つい手が伸びてしまう」その感覚の背景には、確実に”審美性”があります。

    審美眼はすぐに身に付くものではありません。磨くものです。まずは理論を学ぶこと。色彩、構図、レイアウト、タイポグラフィ、コピーライティング……それぞれに体系化された理屈があります。

    過去の名作や事例を学ぶことで、歴史的な流れや文脈も見えてきます。上手なマーケティングのお手本を日頃から観察し、「なぜこれは成功したのか?」と自問する習慣が、分析力と感性を同時に育てます。

    そして最後に、アートや音楽、映像といった”右脳に働きかける体験”を日常に取り入れること。美術館に行く。映画を観る。街のポスターを眺めてみる――そういった積み重ねが、無意識の判断力を磨いてくれるのです。

    審美眼とは、単に美を味わうためのものではありません。「何が伝わるか」「何をすれば伝わるのか」を見抜く力であり、マーケターにとって必要なスキルです。

    審美眼を磨いていきましょう。

  • 与えるということ

    経営者として成功を収めている方々の姿や行動を見ていると、共通して感じるのは「与えること」に長けているという点です。

    たとえば、深夜に部下から相談の連絡があれば、どれほど疲れていても時間を作って話を聞く。取引先の担当者のお子さまが入院されたと聞けば、業務とは直接関係のないことにもかかわらず、お見舞いに駆けつける。あるいは、競合他社の若手経営者から相談を受けた際にも、自らの経験や知見を惜しげもなく共有する。その姿に、思わず「そこまでするのですか?」と口に出してしまうことさえあります。

    成功している経営者、すなわち上に立つ人々は、「与える」という行動に一切の躊躇がありません。それも、誰もが驚くほどのレベルで、それを自然体で、あたかも呼吸するように実践しているのです。

    「利他の精神」や「ギブアンドテイク」といった言葉を耳にすることは多いですが、これは単なる理念や戦略としてではなく、日々の習慣として根付いているものでなければ継続は難しいと感じます。彼らの行動は、何かの見返りを期待してのものではなく、純粋に「相手のために」という想いから生まれていることが伝わってきます。

    自分の時間を他者のために使うというのはとても難しいことです。時間とは、すべての人にとって最も貴重で限られた資源です。その時間を惜しまずに他者のために使えるという姿勢こそが、真のリーダーの資質なのかもしれません。

    「果たして自分は、どれだけの人に与えることができているだろうか」
    「自分の都合ばかりを優先してはいないだろうか」

    与えることによって得られるのは、お金や地位といった表面的なものだけではありません。そこには、人との深いつながりや信頼、そして自分自身の成長があります。

    たとえビジネスとしての関係が終わっても、人生のパートナーとして付き合い続けられるような関係性を築くことこそ、経営における本当の価値なのだと、改めて感じています。

  • 袖振り合うも他生の縁

    昨日の経営者勉強会での出来事。会場で何気なく隣に座った方が、偶然にも同業の方。最初は軽いご挨拶程度だったのですが、お話が進むにつれて業界の課題や将来展望について、思いのほか深いところまで語り合うことができました。

    勉強会が終わった後、その方が「これは引き寄せましたね」とおっしゃいました。たまたま隣に座り、たまたま同業で、たまたま話が合うことは確率が低いことです。

    その翌日、縁を大切にして成功を収めていらっしゃる経営者の方から、「袖振り合うも他生の縁」という言葉をお聞きしました。道ですれ違うような些細な出会いでさえ、前世からの深いご縁があってこそ実現するものだ、という意味なのだそうです。

    その縁をどう活かすかは本人次第です。ビジネスにおいて、技術や戦略ももちろん重要ですが、人とのご縁こそが最も大切な財産だと改めて感じています。良いご縁も悪いご縁も、全て自分に与えられた学びの機会だと思っています。

    まずは一つひとつのご縁を大切にしながら、そのご縁を広げていくことが次に大事です。

    「偶然のご縁を必然に変えていく。」出会った事の意味を理解しようとする人こそが、本当の成功を手にするのかもしれません。