幕張メッセで開催された「AI EXPO」に行ってきました。
とにかく熱気がすごい。AIバブルとも言われるこのタイミングでどのブースも若い人が仕切っていて、人だかりができ、熱く未来を語っていました。
研修・教育・内製化――“わかりやすいAI”が最も多い
まず目立ったのは、AI活用支援・内製化・リスキリングといった「教育・研修系サービス」です。
要するに、「AIをどう業務に取り込むか」を教えるビジネスで、ChatGPTやClaudeなどの使い方講座、社内AI導入コンサル、リスキリングといったAIで業務改善を行うための社内研修など。
ここは理解しやすく、需要もすでに顕在化しています。
特化型SaaSの進化 ― 議事録から経営分析まで
次に多かったのが、議事録作成や業務省力化から経営分析までを担う特化型SaaS。
AIがデータを分析し、要約し、ダッシュボードで経営指標を可視化する。
この分野は「生成AI × 既存業務プロセス」の融合が進んでおり、実際に導入可能なレベルに近づいていると感じました。
どの企業も既にあるものがAIに置き換わっただけなのでそれほど目新しさはありませんでした。
XR融合・AIエージェント開発 ― 未来すぎて掴みきれない領域
一方で、XR(拡張現実)やAIエージェント開発のブースは、正直まだ“未来”の印象が強いです。
新しい専門用語が並んでいるので、2周目でようやく「こういうことをやっているのか」と腑に落ちるレベル。現時点では実装よりも構想・ビジョン段階という印象で結果はまだこれからというイメージです。
ですが、この領域が数年後に主流になっている気がします。
個人的に注目した「情報マスキングサービス」
個人的に一番興味を持ったのは、情報のマスキング(匿名化)サービスです。
AIを使うということは、裏を返せば「会社の情報を渡している」ので、外部AIサービスに入力した情報がどこまで安全かはまだ業界としての基準が確立していません。
この分野は今後、「AIセキュリティ」「データ倫理」「情報統制」の中心テーマになりそうです。
出来る限り効率的に大量のデータを読み込ませる必要があるので、「便利さ」と「リスク」を両立させるのはかなり難しそうです。
“AIを使う会社”ではなく、“AIを理解して使いこなす会社”へ
AIを導入すること自体は目的ではありません。
本当に必要なのは、AIをどう使うかを理解した上で経営戦略に落とし込めるか。そして、どれだけ使いこなせるかが重要です。
AIを正しく使えば業務は速くなるし、より精度があがります。しかし、”考える力”がなければ、AIが生成したものはただのデータになります。
AIと共に働く未来を見据えるなら、まずは経営者自身が“AIを理解する努力”を怠らないことではないかと思います。それが、次の時代の差になると感じた展示会でした。
展示者数はまだ少なかったですが、来年が楽しみなEXPOでした!