自社の求人に月々いくら支払っていますでしょうか。私の知り合いである中小企業の社長の中には、月に100万円単位で費用を支払っている方も少なくありません。リクルート会社や人材斡旋会社の利用が始まると、その便利さから簡単にはやめられなくなります。しかし、この「依存」は費用をどんどん嵩ませてしまいます。負のスパイラルから脱却したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、リクルート会社を利用する場合と自社で求人マーケティングを行う際のメリットとデメリットを紹介します。自社マーケティングのコツも述べていますので、ぜひ最後までお読みください。
「無料で求人サイト作成」は平凡なページ
「無料で求人サイトを作成」というリクルート会社のサービスがあります。一見魅力的に思えますが、必ずしも品質の高いものではありません。提供される文章作成や写真撮影が効果が薄いと言われることが多く、形式的な文章や商業的な印象の強い写真は、求人者にとって見飽きた内容になりがちです。その結果、他社との差別化が図れず、記憶に残りにくくなります。このサービスは「やらないよりはまし」と考えることができますが、過度な期待は避けた方が良いでしょう。
自社でマーケティングを行うメリット
自社でマーケティング活動を行う最大のメリットは、離職率の低減です。自社のマーケティングを通じて、以下のような情報を明確に伝えることが可能です:
求める人材の特性
従業員に期待する仕事内容
提供可能なキャリアパス
現在働いている人々の様子
仕事の進め方
福利厚生の詳細
企業文化や社風
これらの情報を経営者や採用責任者自身の「心の声」として伝え、従業員との協力を得ながら、求職者に企業の熱意を伝えることが有効です。これにより、企業と求職者の間で強い繋がりが生まれ、相互のニーズが一致した高いモチベーションを持つ者同士が引き寄せられ、より長期的な関係が築かれることが期待できます。
リクルート会社にコピーライティングを依頼するのも一つの方法ですが、自社の真の価値を伝えるためには、企業自身がオリジナルのメッセージを作成することに意味があります。求職者はありきたりのメッセージに飽きています。リクルートは「マッチング」であり、企業と求職者との間で共感と理解を築くものです。手を抜くと、手を抜いた従業員が集まることになります。
自社のリクルート専用サイトを持つメリット
自社のホームページに自らの言葉を掲載することが、自社採用マーケティング活動の第一歩です。次のステップは「自社のリクルート専用サイト」の構築です。
リクルート専用サイトを持つべき主な理由は、顧客と求職者のニーズが根本的に異なるためです。求職者専用のサイトを通じて、彼らが求める情報を提供することができ、より効果的なコミュニケーションが実現します。
ターゲットは求職者
リクルート専用サイトの主な対象者は求職者です。そのため、サイトの内容やデザインは求職者のニーズに合わせてカスタマイズする必要があります。
コツは透明性と簡潔性
企業が求職者に向けて伝える際に重要なのは、透明性と簡潔性です。美しいキャッチコピーではなく、自社を客観的に伝えることが重要です。数字やグラフを使って情報を表現するのも効果的です。使用する言葉はシンプルで分かりやすいものが好まれます。写真はリアリティのあるものを選び、可能であれば動画を加えると更にリアルさが増し、効果的です。
SNSは必要
Z世代の求職者は、SNSを通じて情報を収集することが多いため、SNSの戦略的な活用がリクルーティングには不可欠です。大量の情報を一度に提供する必要はなく、小さなことから始めて根気強くコツコツと続けることが成功の秘訣です。長期的な視点でSNS戦略を練り、継続的に実行することが重要です。
長期視点でのポートフォリオを作る
リクルート会社や人材紹介会社に支払う額の一部を自社のマーケティング活動に割り当てましょう。自社マーケティング戦略を長期的な投資と見なし、初期段階で総支出の1~2割を自社マーケティングに充てることをお勧めします。
時間が経つにつれ、やる気のある人が増えて離職率に変化が見られるはずです。マーケティング効果が顕著になり始めたら、最終的には広告を含む自社マーケティングに支出の約40~60%を割り当てることを目指しましょう。
まとめ
リクルート会社への依存は一時的な解決策でしかありません。自社でマーケティングとリクルーティングを直接手がけることにより、従業員とのより深い理解が築けて長期的な企業の利益へとつながります。ぜひお試しください。