DTP(デスクトップパブリッシング)は、印刷物を作成する際のデザインプロセスで、多くの人がこの基礎を学んだ経験があると思います。しかし、私が社内校正や納品前チェックで指摘する修正の多くが、DTPの基本を押さえていないことに起因しています。購入したWordPressのテーマだから良いデザインだと安心するのではなく、デフォルト設定に頼らずきちんとしたデザインの原則を適用することが重要です。
私はこれまで15年間、多くのデザインを見てきましたがデザインが上手な人は無駄なことをしないでポイントを押さえている傾向があります。彼らのデザインは、ほぼ一発でお客様のOKをもらうことができるのです。おしゃれな/クールなサイトを作れるからといってそれが商業的に成功するかどうかは別です。商業デザインの場合は、むしろ、基本に忠実でシンプルかつ効果的なデザインが求められます。
以下に、デザインの基本として注意すべきポイントを紹介します。
目次
① 文字サイズがばらばら
文字サイズが統一されていないと、全体のデザインが不安定に見え、読み手にとって非常に読みづらくなります。また、ページ毎に文字の大きさが違う場合や、見出し、本文、注釈など、それぞれの役割に応じた適切な文字サイズを設定し、一貫性を保つことが求められます。
② フォントが適切ではない
フォントの選択はデザインの印象を大きく左右します。読みやすさだけでなく、ブランドのイメージやターゲット層に合ったフォントを選ぶことが大切です。デフォルトフォントに頼らず、適切なフォントを選びましょう。
③ 行間が適切ではない
行間が狭すぎたり広すぎたりすると、読みづらくなり、視覚的にもバランスを欠きます。行間を適切に設定することで、文章が見やすくなり、デザイン全体の調和も取れるようになります。
④ 文字色(コントラスト視認性・視読性)が適切ではない
文字色と背景色のコントラストが低いと、文字が読みづらくなります。特に、視認性や視読性を考慮した色選びが重要です。デザイン性を追求しすぎて視認性が損なわれないよう注意しましょう。
⑤ インデント(寄せ)が適切ではない
インデントや段落の配置が適切でないと、文章がごちゃごちゃして見えます。特にリストや引用部分などは、適切なインデントを設定することで、視覚的に整理された印象を与えることができます。
以下の、⑥~⑩に関しては、特にお客様の目線に立って、客観的に見直すことが重要です。
⑥ 余白管理
余白は、デザインにおいて非常に重要な要素です。余白が適切でないと、全体が窮屈に感じられたり、逆に間延びして見えることがあります。要素同士の間に適度な余白を設けることで、デザインが整理され、視認性が向上します。
⑦ 解像度を上げる
画像やグラフィックの解像度が低いと、全体のクオリティが落ちてしまいます。特に印刷物や高解像度のデバイスで表示されることを考慮して、解像度の高い素材を使用しましょう。
⑧ 改行管理(レスポンシブ段ずれ)
レスポンシブデザインを考慮すると、改行のタイミングや段落のズレに注意が必要です。異なるデバイスでの表示を考慮して、最適な改行位置を探し出しし、段ズレを防ぐようにしましょう。
⑨ 情報整理 不要なものを表示させない
情報が多すぎると、ユーザーが何に注目すればいいのか分からなくなります。必要な情報を絞り込み、不要な要素を削除することで、ユーザーが本当に求めている情報に焦点を当てることができます。
⑩ 適切なボタンの文言
ボタンの文言は、ユーザーが次に何をすべきかを明確に示す重要な要素です。曖昧な表現や長すぎる文言は避け、シンプルで分かりやすい表現を心がけましょう。ボタンのサイズや配置も含め、ユーザビリティを考慮した設計が求められます。
まとめ
DTPはデザインの基本であり、WEBデザインにおいてもその原則を守ることが非常に重要です。適切な文字サイズ、フォント選び、余白管理など、基本を押さえることで、ユーザーにとって見やすく、使いやすいデザインを提供できます。長年の経験から言えることは、デザインが上手な人ほど、無駄なことをせず、基本に忠実であるということです。これらのポイントを意識して、クオリティの高いデザインを追求しましょう。