2026年5月20日、WordPressの最新メジャーバージョン「WordPress 7.0(コードネーム:Armstrong)」が正式リリースされました。バージョン番号が「6.x → 7.0」に上がるメジャーアップデートは、2022年5月の6.0以来およそ4年ぶり。AI機能の標準搭載、管理画面の大刷新など、過去最大級の変化が入っています。
この記事では、WPセキュリティ保守の現場視点で「公開直後にやってはいけないこと」「先に確認すべきこと」を、図で整理します。
1. WordPress 7.0は約4年ぶりのメジャーアップデート
- リリース日:2026年5月20日
- コードネーム:Armstrong
- 前回のメジャー(6.0):2022年5月24日 → 約4年(1,457日)ぶり
- 当初は4月リリース予定 → 共同編集機能の設計問題で1か月延期
- エンハンスメント 411件 / バグ修正 486件
マイナーバージョン(6.1, 6.2…)は年2〜3回のペースで出ていましたが、頭の数字が上がるのは特別です。プラグインやテーマへの影響範囲も、通常のマイナーとは桁が違います。
2. WordPress 7.0で変わった事

① 管理画面が2013年以来の大刷新(DataViews)
投稿一覧・固定ページ一覧・メディア一覧などの「テーブル画面」がReact製の DataViews に置き換わりました。フィルタや並べ替えがページリロードなしで動き、グリッド表示・カード表示にも切り替えできます。見た目が大きく変わるので、お客様や社内メンバーへの事前周知が必要です。
② AIがWordPressコアに標準搭載
OpenAI / Google Gemini / Anthropic Claude を切り替えて使える AI Client がコア機能になりました。これまで有料プラグインを入れて実現していた「文章のトーン変更」「要約」「ブロックパターン生成」が、編集画面のボタンから直接使えます。
③ 新ブロックが2つコアに追加
- Breadcrumbs ブロック:パンくずナビをコア機能で自動生成(これまでYoast SEOやプラグイン依存)
- Icons ブロック:SVGアイコンをコア標準で挿入可能
④ ブロックにコメント・@メンション機能
編集中のブロックに直接コメントを残し、チームメンバーに @メンション で通知できます。「ここの表現どうします?」を編集画面で完結できるようになりました。なお、Googleドキュメントのような「リアルタイム共同編集(同時に同じ画面を編集)」は今回見送りで、WordPress 7.3(2027年予定)以降です。
3. AIで具体的に何ができるのか
「AI標準搭載」と言われてもピンとこないと思うので、編集画面で実際にできることを具体的に並べます。
- 文章のトーン調整:「もっと丁寧に」「カジュアルに」「専門家向けに」をボタン一発で
- 要約生成:長い記事から3行サマリー/リード文/抜粋を自動作成
- ブロックパターン自動生成:「料金表」「FAQ」「導入事例」と指示するとレイアウト一式を組む
- 見出し・タイトル候補出し:SEO/クリック率重視の複数案を一度に提案
- 翻訳:選択範囲をそのまま英語・中国語などに変換
- 文章校正:誤字脱字・敬語のゆれ・冗長表現の検出
- alt属性の自動生成:画像のアクセシビリティ対応を自動化
- メタディスクリプション生成:検索結果用の説明文を自動作成
- 関連記事サジェスト:過去記事から内部リンク候補を提案
- 画像キャプション生成:挿入画像の説明文をドラフト
- プロバイダ切替自由:OpenAI/Gemini/Claudeを用途別に使い分け
「AIプラグインを別途契約」「Zapierでつなぐ」といった構成が、コア機能だけで完結します。ただし各社のAPIキーは別途自分で取得して設定する必要があり、ここで止まる方が多いので注意してください(後述)。
4. アップデートで気を付けること

① PHPバージョン:7.2以上必須、8.3〜8.4推奨
WordPress 7.0は PHP 7.2が最低要件 です。古いレンタルサーバー(特に長く運用しているサイト)はPHP 7.0や7.1のまま動いていることがあり、その場合は更新前に必ずPHPを上げてください。パフォーマンスとセキュリティの両面で PHP 8.3 または 8.4 を推奨 します。
② プラグイン互換性:管理画面APIの変更で動かなくなるものがある
投稿一覧・管理画面のレンダリング方式が大きく変わったため、独自に管理画面をカスタムしているプラグイン(旧 WP_List_Table 依存のもの、独自ダッシュボードウィジェットなど)の一部は7.0で正しく表示されない可能性があります。本番アップデート前に、利用中プラグインの7.0対応状況をすべて確認してください。
③ ステージング環境で必ず先に検証
「いきなり本番でアップデート」は絶対にやめてください。ステージング(本番と同じ環境のコピー) を作って、そこで7.0を当ててから、管理画面・投稿編集・お問い合わせフォーム・カート(ECサイトの場合)の動作を一通り確認するのが鉄則です。
④ AI機能は別途APIキー設定が必要(誤って課金APIに繋がない)
AI機能は標準搭載ですが、OpenAI/Gemini/ClaudeなどのAPIキーは別契約です。設定画面でキーを入れた時点で、その会社の課金が発生する可能性があります。テスト目的で本番サイトに有料APIキーを入れる前に、料金体系(特に従量課金の上限設定)を必ず確認してください。
⑤ リリース直後は7.0.1待ちが安全
過去のメジャーアップデート(5.0 Gutenberg、6.0など)でも、リリース直後にいくつかの不具合が見つかり、数週間以内に小さなパッチ(7.0.1、7.0.2)が出るのが通例です。緊急で7.0の新機能が必要でない限り、7.0.1〜7.0.2を待ってからアップデートするのが現場としては最も事故が少ない選択です。
まとめ:自分で対応できないと感じたら
WordPress 7.0は「AIが標準搭載された初のメジャーバージョン」として、今後数年の運用を左右する重要なアップデートです。一方で、PHP更新・プラグイン互換性・ステージング検証は、WordPressに詳しい方でも一人で全部やるのは負担が大きい作業です。
株式会社ネクスト・アクションのWPセキュリティ保守サービスでは、月額制でメジャーアップデート前の互換性チェック・ステージング検証・本番反映・ロールバック準備まで一括で対応しています。WordPress 7.0のアップデートに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
