WordPressサイトが勝手にリダイレクト?その時どうする?
WordPressサイトを運営していると、突然意図しないページにリダイレクトされてしまう、という問題に直面することがあります。これは「強制リダイレクト」と呼ばれ、訪問者が目的のページにたどり着けなくなるだけでなく、検索エンジンの評価低下やセキュリティリスクの増大にもつながる深刻な問題です。
Web担当者として、この強制リダイレクトが発生した際に、どのように原因を特定し、対処すれば良いのか、その具体的なステップを解説します。
強制リダイレクトの主な原因を特定する
強制リダイレクトが発生する原因は多岐にわたります。まずは、考えられる主な原因を把握し、どこに問題があるのかを絞り込むことが重要です。
マルウェア感染による悪意のあるリダイレクト
WordPressサイトがハッキングされ、悪意のあるコードが挿入されることで、強制リダイレクトが発生することがあります。これは最も危険なケースの一つで、サイト訪問者を詐欺サイトやウイルス配布サイトへ誘導する目的で行われます。
プラグインの競合や設定ミス
リダイレクト機能を持つプラグイン(例: Redirection、Yoast SEOなど)の設定ミスや、他のプラグインとの競合によって、意図しないリダイレクトが発生することがあります。特に、複数のリダイレクト系プラグインを併用している場合に起こりやすい問題です。
.htaccessファイルの誤設定
Webサーバーの設定ファイルである.htaccessに、誤ったリダイレクトルールが記述されている場合も原因となります。手動で編集した際の記述ミスや、マルウェアによって不正に書き換えられたケースが考えられます。
データベースのURL設定ミス
WordPressの「WordPressアドレス (URL)」や「サイトアドレス (URL)」が誤って設定されていると、サイト全体が正しく表示されず、リダイレクトループに陥ることがあります。特に、サイトを引っ越した際などに発生しやすい問題です。
サーバー側のリダイレクト設定
稀に、ご利用のレンタルサーバー側で設定されているリダイレクトルールや、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)などの設定が原因で、強制リダイレクトが発生することもあります。
今すぐ試せる!強制リダイレクトの緊急対処法
原因が特定できない場合でも、まずはサイトの状況を改善するための緊急対処法を試してみましょう。
1. すべてのプラグインを無効化する
プラグインが原因である可能性が高いため、一時的にすべてのプラグインを無効化して確認します。FTPクライアントやレンタルサーバーのファイルマネージャーを使い、wp-content/pluginsフォルダの名前を一時的に変更(例: plugins_old)することで、すべてのプラグインを無効化できます。これでリダイレクトが解消されれば、プラグインのいずれかが原因です。
2. テーマをデフォルトに戻す
テーマが原因である可能性も考慮し、WordPressの管理画面から一時的にデフォルトテーマ(例: Twenty Twenty-Four)に切り替えてみましょう。管理画面にアクセスできない場合は、データベースを直接操作するか、wp-content/themesフォルダ内の現在使用しているテーマフォルダ名を変更することで無効化できます。
3. .htaccessファイルを初期化する
.htaccessファイルに問題がある場合、これを初期化することでリダイレクトが解消されることがあります。まず、現在の.htaccessファイルをバックアップとしてダウンロードし、その後、サーバー上のファイルを削除します。WordPressにログインし、パーマリンク設定を一度保存し直すと、新しい.htaccessファイルが自動生成されます。
4. WordPressアドレスの確認と修正
wp-config.phpファイルに以下のコードを追加し、WordPressアドレスとサイトアドレスを強制的に設定します。
define('WP_HOME','https://yourdomain.com');define('WP_SITEURL','https://yourdomain.com');
yourdomain.comの部分はご自身のドメインに置き換えてください。これにより、データベースの設定よりも優先されます。
5. キャッシュをクリアする
ブラウザのキャッシュ、WordPressのキャッシュプラグイン、サーバー側のキャッシュなど、考えられるすべてのキャッシュをクリアしてみましょう。古いキャッシュが原因でリダイレクトが継続している場合があります。


