WordPress管理画面「wp-admin」にログインできないときは
いつも通りログインしようとしたのに、突然「管理画面に入れない」となると、とても不安になりますよね。
ただし、多くの場合は原因を一つずつ確認していけば、落ち着いて解決できます。
- よくある原因
- 今すぐ試せる対処法
- 同じトラブルを防ぐための予防策
を順番に紹介します。
よくある原因をざっくり整理
「wp-adminに入れない」といっても、原因はいくつかパターンがあります。
- ユーザー名・パスワードの間違い
入力ミス・Caps Lock・余計なスペースなど。 - ブラウザ側の不具合
キャッシュやCookieが悪さをして、正しくログインできないことがあります。 - プラグインやテーマの不具合
セキュリティ系プラグインや、更新したばかりのプラグイン/テーマが原因になることも多いです。 - WordPressやPHPのバージョンの問題
WordPressが古すぎる・PHPだけ新しくしすぎた、などの「相性問題」で真っ白になるケース。 - サーバー側のトラブル
サーバー障害・容量不足・契約切れなどで、そもそもサイト自体が不安定になっていることもあります。 - セキュリティ設定やハッキングの影響
IP制限・海外アクセス制限・不正ログイン対策プラグインの設定ミス、あるいは改ざん・不正リダイレクトなど。 - .htaccess(サイトの設定ファイル)の書き間違い
URLの書き換え設定などで誤記があると、管理画面へのアクセス自体がはじかれてしまうことがあります。
今すぐ試せるチェックリスト
難しい作業の前に、まずは「簡単なところ」から確認していきましょう。
1. ログイン情報を落ち着いて確認する
- ユーザー名・パスワードを、コピー&ペーストではなく、ゆっくり打ち直してみる。
- Caps Lock(英字が全部大文字になるキー)がオンになっていないか確認する。
- パスワードを忘れた可能性があれば、ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」から再発行する。
2. ブラウザの問題を切り分ける
- Chrome・Edge・Safariなど、別のブラウザでもログインできるか試す。
- 今使っているブラウザで、キャッシュとCookieを削除してから再度アクセスしてみる。
- 「シークレットウィンドウ/プライベートブラウズ」で管理画面URLを開き、ログインできるか試す。
3. プラグインを一括で止めてみる(少しだけ技術的な操作)
セキュリティプラグインなどが原因で、ログイン画面自体が動かなくなることがあります。管理画面に入れないときは、FTPやサーバーのファイルマネージャーで一括停止できます。
- サーバーの管理画面やFTPソフトで、WordPressを入れているフォルダを開く。
wp-content→pluginsフォルダを探す。pluginsフォルダ名を一時的にplugins_oldなどに変更する。
→ これで全プラグインが「無効」の状態になります。- もう一度
wp-adminにアクセスして、ログインできるか確認する。
ログインできるようになった場合は、プラグインが原因の可能性が高いので、plugins の名前を戻し、プラグインを一つずつ有効化しながら原因を特定します。
4. テーマの不具合を疑う
見た目を変えている「テーマ」がエラーを起こしている場合もあります。
wp-content→themesフォルダを開く。- 今使っているテーマのフォルダ名を、一時的に別名に変更する。
- WordPressは自動的に「標準テーマ(Twenty Twenty〜など)」に切り替わるので、再度ログインできるか確認する。
5. .htaccessファイルをリセットする
URLの書き換えなどに使う設定ファイル「.htaccess」の記述ミスで、アクセスできなくなることもあります。
- WordPressを入れているフォルダ直下にある
.htaccessを.htaccess_oldなどにリネームする。 - その状態で
wp-adminにアクセスしてみる。 - ログインできるようになったら、管理画面に入ってから「設定 → パーマリンク」で「変更を保存」を押すと、新しい
.htaccessが自動生成されます。
6. サーバーの状態を確認する
- サーバー会社の「障害情報」や「お知らせ」を確認する。
- サーバーの契約期限切れや、ディスク容量不足がないかコントロールパネルでチェックする。
- エラー画面に「403」「500」などの番号が出ている場合は、その番号をメモしてサーバー会社や制作会社に相談する。
7. (少し上級編)エラー内容をログに出して原因を調べる
技術的な作業になりますが、原因の手がかりをつかむために、エラーログを出す方法もあります。自信がない場合は、この作業自体を専門家に依頼してください。
wp-config.phpというファイルを開く。/* That's all, stop editing! Happy publishing. */より上あたりに、次の3行を追加する。
define( 'WP_DEBUG', true ); define( 'WP_DEBUG_LOG', true ); define( 'WP_DEBUG_DISPLAY', false );
すると、wp-content フォルダの中に debug.log というファイルが作られ、エラー内容が記録されます。
調査が終わったら、必ず WP_DEBUG を false に戻しておきましょう。
セキュリティやハッキングが怪しいとき
次のような場合は、設定ミスではなく「不正アクセス」や「改ざん」の可能性もあります。
- ログイン画面のURLが知らないアドレスに勝手に変わっている。
- 管理画面に入ろうとすると、別のサイトに飛ばされる。
- 自分が作っていない管理者ユーザーが増えている。
このようなときは、
- すぐに全パスワード(WordPress・サーバー・FTPなど)を変更する。
- サーバー会社に「不正アクセスの疑いがある」ことを連絡し、指示を仰ぐ。
- 専門の業者や制作会社に、調査・復旧を依頼することも検討する。
同じトラブルを防ぐための予防策
一度復旧しても、「また同じことが起きたら…」という不安は残ります。日ごろから次のような対策をしておくと安心です。
1. 定期的にバックアップをとる
バックアップがあれば、万が一ログインできなくなっても、「元に戻す」という選択肢が増えます。
- WordPress本体のファイル(プラグイン・テーマ・画像など)
- データベース(記事や固定ページの内容)
この2つをセットでバックアップしておくのが基本です。
2. 更新は「バックアップ → テスト → 本番」の順で
WordPress本体・プラグイン・テーマの更新は、セキュリティのためにとても重要です。ただし、いきなり本番で更新するとトラブルの元にもなります。
- 更新前に必ずバックアップをとる。
- 可能であれば、テスト用の環境(ステージング)で試してから本番に反映する。
3. パスワードとログインの安全性を高める
- 推測されにくい長めのパスワードを使う(英数字+記号の組み合わせなど)。
- 複数サイトで同じパスワードを使い回さない。
- 可能であれば、二段階認証(2FA)のプラグインを導入する。
4. プラグイン・テーマは「厳選」して使う
- 最終更新日が古すぎるものや、評価の低いものは避ける。
- 使っていないプラグイン・テーマは、無効化するだけでなく、できれば削除する。
- 無料テーマやプラグインは、公式ディレクトリや信頼できる配布元から入手する。
5. 安定したサーバー環境を選ぶ
- WordPress利用実績が多く、サポートも充実しているレンタルサーバーを選ぶ。
- PHPやデータベースのバージョンを、WordPressの要件を満たす範囲で最新に保つ。
まとめ:焦らず一つずつ確認すれば、大半は解決できる
「wp-adminにログインできない」という状況は、とても焦りますが、原因を整理して一つずつ試していけば、解決できるケースがほとんどです。
- まずはログイン情報・ブラウザの問題を確認する。
- それでもダメなら、プラグイン・テーマ・.htaccess・サーバーの状態を順番に切り分ける。
- 不正アクセスが疑われるときは、パスワード変更とサーバー会社への連絡を最優先にする。
- 日ごろからバックアップと更新のルール作りをしておくと、「いざ」というときに慌てず対応できます。
「自分でここまで試したけれど、まだ入れない」「エラー内容を見てもよく分からない」という場合は、無理をせず、早めに専門家へ相談することも検討してみてください。
参考リンク
詳しい手順や背景を知りたい方は、以下の公式ドキュメントも参考になります(いずれも外部サイト)。


