コンセプトからのお店つくりがしっくりこなかった方のために、ネクストアクション流ショルダーネームで始める店つくりを解説していきます。ポイントは、「概念」ではなくて、実際に何を出すのか、何をするのか、という直感的にわかりやすいことだけで、コンセプトワークと同じ効果が得られることです。この記事は、主に飲食店を想定して書いていますが、業種の違う方でも十分に通じる考え方です。自業種にあてはめながら読んでいただければ幸いです。
目次
まずはショルダーネームを作りましょう
お店を出す方の多くは、自分が一番自信のあるメニューがはっきりしていますよね。そのメニューをTPOに合わせて端的に表現します。袖看板、インターネット向けの2種類を差別化を意識しながら作りましょう。一般的に、袖看板の方が表現が緩く、ネット向けはターゲットをより明確にする必要があります。このことから、飲食店の少ない地域であれば、袖看板には「定食」、ネット向けは「炭火焼手捏ハンバーグ」と変わってもかまいません。
袖看板はインターネット上の情報と比べて、見る人の数が限られるケースも多いため、絞りすぎるとお客様の足が遠のいてしまいます。逆にインターネット上では競合店が非常に多いため、明確に差別化をしないと遠方から集客ができません。
店頭・メニューはショルダーネームに見合うようにしましょう
店頭はショルダーネーム通りに一番のウリの商品が分かる様にディスプレイします。定食であっても、一番のお勧めをしっかりアピールしましょう。また、メニュー構成も店頭のディスプレイ同様に、ショルダーネームに謳ったメニューをしっかり大きく打ち出します。
接客でも、しっかりショルダーネームに謳ったメニューをお勧めしましょう
初めてのお客様にお勧めするべきはショルダーネームに謳ったメニューです。初めの従業員教育ではショルダーネームのメニューについて、初めにお勧めすること、なぜお勧めなのか、他店との違いは何か、しっかり説明できることを目標にしましょう。ショルダーネームをしっかり打ち出している場合は、多くのお客様はそのメニューを目当てに来店されますので、あれもこれも一気に覚えるよりははるかに効率的です。
ここまでは、メニュー重視になってしまいましたが、欧風家具などをショルダーネームに盛り込んだ場合はどうでしょうか?店頭ディスプレイで店内の雰囲気が分かる様にしたり、従業員教育では全家具の知識とご案内前に空席状況を考慮してお客様に選択肢を示しつつのご案内ができるようにしましょう。
季節のアレンジは強みを活かして
お客様のリピートを促すためには、季節ごとの取り組みはかかせません。そこでかかせないのは、ショルダーネームに謳ったお店のウリをもう一度考えてみることです。なぜ他店はそれを真似できないのでしょうか?調理法・素材の調達法・インテリアの統一感など、理由があるはずです。お店のウリを支えているものこそ、お店の強みです。この強みを活かして季節のアレンジをしましょう。
初めてのお客様にはウリをお勧めして、リピーターのお客様にはウリを支えるお店のノウハウから作り出したアレンジをお勧めすると、お客様はどう感じるでしょうか?お店全体の統一感をより強く感じて、ますますファンになってくださるはずです。そして、従業員もお店の特徴を説明しやすくなり、料理のお勧めの仕方も自然と工夫されていきます。
最後はUSPにつなげましょう
USPとは、お店がお客様に提供する価値についてのお約束です。有名な例は宅配ピザの「30分以内にお届けできなければ無料」です。一時期某ハンバーガーチェーンでも60秒チャレンジと称して同様の取り組みをしていました。あとは最低金額保障や業界最速などもUSPです。季節のアレンジを繰り返すことで、自店はどんなところが一番の強みか、見えてきます。季節ごとにどんなコピーを考えたのか、それらの共通点は何か、1年程度たったら見直してみましょう。自然とUSPが見えてくるはずです。差別化された(ユニークな)ショルダーネーム、略してUSNから、大手企業が必死に磨いているUSPへと自然につながるのは興味深いです。
こうして振り返ると、コンセプトをきちんと定めてお店作りをするのも、USNで始めて季節ごとに自店の軸を見定めていくことも得られる結果は同じようです。どちらも大切なのは軸がぶれないことです。この点にだけご注意いただき、どちらでスタートするかはフィーリング次第!コンセプトでしっくりこなかった方は是非USN作りに挑戦してみてください!