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Director's Eye(社長ブログ)

プロとしてのWebデザイナーに必要なスキルについてまとめました

Webデザインを習得するには毎日8時間作業したとして3年かかる

Webデザインは感覚や見よう見真似では仕事はできません。イラストレーターやフォトショップの操作を覚えたからデザイナーになれるかと思ったらそれは大いなる勘違いです。

世間ではクリエイティブで楽しい事を考える仕事のような印象がありますが、どちらかというと、小さい事をコツコツちまちまと積み上げていく職人のような作業がほとんどです。

時としてクリエイティブスキルも必要ですが、3年は丁稚奉公だと思った方がよさそうです。テレビや雑誌で取り上げられているデザイナーやディレクターの猛者達は一見華々しく見えますが、苦しい下積みを経験してそれを乗り越えた人なのです。

Webデザインは簡単なものに見えてしまう?

他人のWebサイトを見ると、「もう少しこうしたらいい」「もっとこのデザインの方がいい!」といった感じで、あたかも、部屋の模様替えを行っているような感覚で自分でもできてしまう感覚に陥ります。インテリアショップに行って、好きな素材を選んで思うままに配置していく感覚に似ているのかもしれません。

Webデザインは色や形のあるパーツを並べていくものなので、その点はインテリアのデザインと似ています。平面なのでそれより単純かもしれません。確かに、Webデザインは誰でもできる仕事なことに間違いありません。

Webデザインは簡単ではないんです!

何が難しいのかというと、一言でいうなら”お客様のニーズに答える”ということではないかと思います。

自分や家族の部屋のインテリアをデザインするのは自己満足であればいいです。”他人が何と言おうと私が好きだからいい”のです。

それに、ショップに行けば完成されたデザインのアイテムが沢山あるので、お気に入りのデザインのものを配置すれば”自分にとって良いインテリア”になるわけです。

お客様の二ーズって何だ?

お客様のニーズTOP5を挙げます。
1.印象を良くする(ブランディング)
2.アクセスを増やす/内部回遊を増やす
3.成約数を増やす(売上、問い合わせ、人材募集など)
4.機能を改善する(ユーザビリティ、ボタン、SNS連動など)
5.性能を改善する(表示速度、SEO対策等)

かなりざくりですが、これらのうちいくつかのニーズに応える必要があります。ただ、オシャレにすればいいという訳ではありません。

1の「印象を良くする」は誰でも感覚的に分かると思いますが、2-5はITの知識やWebマーケティングの知識が必要になります。

コーディングなどのIT駆使スキル

多数の言語を使いこなさないとなりません。HTML、CSS、PHP、CGI、MySQLといった言語を知る必要があります。

このほかにもレスポンシブ、メタタグ、CMS(ワードプレス等)や、最新のGoogleツールの使いこなさないとなりません。

ITは毎日変わると言っても過言ではありません。例え昨日使えた技術があっても今日使えるとは限りません。日々の学習と情報検索や駆使能力が問われます。

デザイン・スキルについてはどうか

1の「印象を良くする」ということだけに特化したとして、デザインを仕事でつかえるようになるにはデザインの理論を学ぶ必要があり、理論の勉強と日々の修練が必要です。

知識として、デザインに関する本は少なくも10冊以上読んだ方がいいでしょう。少なくとも、色や形の理論や、デザインの基本4原則(近接、○○、○○、○○)は空で言えないとダメです。

一番良い修練方法は他者のデザインを模写することです。日々良いデザインに触れ、良いデザインのストックを増やすこと、そして、具体的に何がいいのか、理論であてはめて説明できるようにすることです。

そして、習得したい!と思ったデザインをなぞってみることです。その際、限りなく真似するデザインを近づけることが重要です。

最初はオリジナリティを出そうとしてはいけません。守破離という言葉がありますが、「守」・・・型を完全に身に着けてからオリジナリティを出すことです。

よほどセンスがいい人や才能がある人を除き、いきなり優れたデザインが描ける人はいません。まずは型を身に着けることからです。先ほど、「クリエイティブはほとんど必要ない」と言ったのはこういう理由からです。

ビジネス・スキルは当たり前

実際現場で行っているWebデザインの制作作業はざっっくりこのような流れです。
・お客様にヒアリング
・サイトマップやラフスケッチ作成
・ワイヤーフレーム設計
・デザインカンプ作成
・コーディング
・検収
・納品

イラストレーターやフォトショップが使いこなせるのは前提として、ワードやエクセル、パワーポイントなどのデータや情報処理ができないとなりません。

なによりも、コミュニケーションスキルが問われます。お客様との折衝、同僚との意見交換、上司とのやりとり、外注への指示など、日々多くの人とやりとりを行います。

Webデザイナーというと、パソコンに向かってもくもくと作業しているイメージがあるかもしれませんが、打合せや通話・メール対応で一日終わってしまうなんてこともしばしばあります。(逆に、1週間誰とも会わずにパソコンに向かっているということもありますが・・・)。

敬語や礼節といったビジネス・マナーもいりますね。相手は大手企業だったり社長だったりするわけですから。「私、人と話すのが苦手でデザインだけやりたいです・・・」という訳にはいかず、これらのビジネス・スキルは業務を行う上で避けては通れません。

コツコツ作業して完成させるスキル

これ、大事です。完成させられない人、沢山います。コンプリート直前で怖くなって逃げだす人や、めんどくさくなったり飽きてしまって途中で放棄してしまう人がいます。これでは仕事になりません。(こういう人は現場を荒らすので本当に大変。。)

そのために、目標を立て、スケジュール通りに周囲の人と同期しながら、作業を行う(指示する)能力が問われます。俯瞰でみないとなりません。前頭葉をフル回転させます。

1年かかるプロジェクト、なかなか終わりが見えない修正、商品が1万点あるECサイトの商品登録、1000ページの間違い探し、それと、融通の利かない上司との戦い(笑)。。。これらは日常茶飯事です。忍耐も必要ですね。

でもやっぱりWeb制作は楽しいのだ!

いかがでしたでしょうか?

Webデザイナーになるためのスキルは、adobeの操作ではなく、センスやクリエイティブでもありません。優れたデザインやコーディングができ、かつ、お客様や仲間と日々学習しながらコツコツと作り上げていくスキルが必要になります。

Webデザイナーに求めることは、デザインセンスよりも、学習スキルとコツコツ作業することに耐えられるスキルではないかと思います。

こう聞くと「絶対Webデザイナーになんかならない!」と思われるかもしれませんが、学習して成長する喜び、仲間とものを作り上げる喜び、お客様に喜んでもらう喜びは何事にも変えられません。ぜひ、みなさんもWeb制作の世界へお越しください!

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ABOUT ME
数藤圭介
株式会社ネクストアクション代表取締役、WEBディレクター、ワードプレス運営アドバイザー、ビデオグラファー。趣味:小旅行、ギター、硬式テニス