こんにちは。今回は、中小企業における新規事業のマーケティング戦略で大事な「経営資源」のお話をします。
なかなか物が売れない時代、国内のモノづくり企業は減退の途をたどり、新規販路開拓や新規事業開発を検討している企業が多いようです。同時に、創業者の高齢化と後継者不足の問題もあり、今後の経営を担う後継者が新しい取り組みを進めています。
その中で、現在や過去の技術を大事にしたい創業者とマーケットニーズをつかみ、変えようとしている若手経営者や従業員との争いも多いようで、たとえば、流行っているIT技術を使って斬新な事業開発を考えたものの、自社の経営資源が全く生かされていないということをよく聞きます。
経営経験が浅い若手の経営者や従業員は、「市場ニーズがもったいない」と思っていて、自分ならできるのではないかという根拠のない自信がある方が多いです。しかし、経営資源というものは、長年の積み重ねで多くの人から得られた信用と実績からなりたっているもので、逆に、これをつかわないと、「オールリセット」ということになります。経験の浅い経営者はこうした積み重ねの大事さを理解していない場合が多く、創業者と衝突するケースをよく見受けます。
やはり、経営資源は大切にしたいです。もちろん、市場ニーズも大事なのですが、経営資源を作りあげることは口で言うほど簡単ではありません。経営資源を使わないということは、エネルギー分散または、エネルギーを無駄使いしてしまい、一時的に大きな損失を得ることになります。
そこで、新規事業戦略における経営資源の考え方をまとめました。
新規事業戦略における経営資源の考え方
1.会社には、使いきれていない「能力」や「物」(=余裕資源)が必ずある
2.余裕資源を活かせば、現行の事業にも相乗効果うまれる
3.資源を活かした方が成功する確率は高い(活かさない場合は本業のリスク分散の利点)
この経営資源を生かす考え方に加えて、今後の時代を担う人が考えた「市場ニーズ」を合わせて戦略を練ります。下の図のようになります。競合については簡単にいうと、他社と戦うか戦わないのかを決めるだけです。
お金と時間(+ガッツ)が無尽蔵にあるのならいいですが、経営資源は大事にしたいですね。まずは、見つめていた外から視点を変えて、自社を見つめなおすことから始めましょう。